ドキュメンタリー映画「タネは誰のもの」を観ました

種子法、種苗法のために活動しておられる山田正彦さんがプロデューサーをつとめたドキュメンタリー映画「タネは誰のもの」を観ました。このサイトでも種苗表の改悪の可能性についてお伝えしてきましたが、10月末からは国会で再び審議が始まり、11月には種苗法が改正されてしまうという情報もあるようです。「タネは誰のもの」は種苗法改正案の問題点を分かりやすく紹介してくれている映画です。

「タネは誰のもの」は山田正彦さんと原村政樹監督が日本全国を巡り、農家の方の生の声を拾い集めたドキュメンタリー映画です。この映画には、種苗法に反対の方だけではなく賛成の立場をとっておられる方も出演しています。

ただ、映画を観ていただければ分かると思うのですが、種苗法の改正案の細かい部分を見て行くと、農家を守るための法律改正ではまったくないことが分かります。種苗法に賛成の方は、「これでようやく権利が守られる」という意見の人が多いようですが、種苗法改正によって政府が守ろうとしているのは、苦労して種苗を育て、品種登録した方ではなく、企業なのです。映画を観ていただければ、種苗法に賛成している農家の方が、官僚の上手い口ぶりに騙されている可能性が高いこともお分かり頂けると思います。

映画の中では、種苗法の改正案の問題点や、種苗法改正によって種苗が企業のものになってしまう可能性を高める農業競争力強化支援法について、時には文字も交えながら分かりやすく説明がされています。法律的な問題点などは、ここで説明するよりも、実際に映画を観て頂くのが分かりやすいと思います。

私もブログで種苗法改正に反対の記事を書いたことで、農家のものだと名乗る方から「種苗法改正は悪いことではない」という意見のDMなどをいくつももらいました。中には罵詈雑言に近いものもあり、「どこかに雇われている人?」と感じてしまうものもありました。この「タネは誰のもの」を観て感じたことは、種苗法賛成と言っている農家の方たちが「皆、騙されている」ということです。

「タネは誰のもの」には、タネとりの様子も多く紹介されています。種取りや育苗は毎年やる必要があって、「タネは誰のもの」に登場した農家さんは、「育苗が仕事の3分の1」と語る人もいました。年月をかけて培った大変な技術です。それだけ大変な思いをして毎年守ってきたものが、法律が変わることによって全部違法になってしまう。こんな馬鹿な話があるでしょうか。

種苗法は登録品種以外は今まで通り自由に自家採種しても良いということになっていますが、沖縄のサトウキビなどは、90%が登録品種だとのこと。種苗法の改正案が通ってしまえば、沖縄のサトウキビは10%しか残らず、ほぼ全滅してしまいます。「タネは誰のもの」に登場したサトウキビ農家さんは、日本がアメリカから大量のとうろもろこしを購入したため、砂糖はトウモロコシからとりたいという思惑があるのではないかと語っていました。前首相の安倍さんは、アメリカで売れ残ったトウモロコシをトランプさんから大量に買わされています。さもありなん、と思いました。

確かに、甘味はトウモロコシから作ることもできます。でも、黒糖はどうなってしまうのでしょう。かりんとうはどうなってしまうのでしょう。黒糖にもかりんとうにも興味のないという人もいるかもしれませんが、それが日本から消えてしまう可能性があるというのは、とても寂しいことではありませんか?

また、アメリカで売れ残ったトウモロコシは遺伝子組み換えで農薬も多量に使用し、アメリカの人たちが「こんなの食えるか」ということで売れ残って日本に押しつけられたものです。そんなものから作られた砂糖が、さまざまなものに混じって流通するということを考えるだけで恐ろしいです。アメリカの人たちは食の安全について学び、熱心に国に訴え、現在はスーパーで売られるほとんどの野菜などがオーガニックになっています。だから遺伝子組み換えトウモロコシは売れなくなり、日本に押しつけられたのです。

種苗法改正案の問題点は「農家のほうを向いている法律ではまったくない」ということ、「企業を儲けさせるための法律」であることです。それが「タネは誰のもの」を観て頂ければ、よくお分かり頂けると思います。

この種苗法の改正案が通ってしまえば、近い将来、日本古来の農業は壊滅状態になり、グローバル企業が跋扈する伏魔殿のようなものになってしまうでしょう。しかも、新型コロナや気候変動、バッタなど、さまざまな理由でこれから食糧危機が訪れると言われています。私がぐだぐだと語るよりも、ぜひ「タネは誰のもの」を観ていただけると、なぜこんなに多くの人が反対しているのかということが分かって頂けると思います。

「タネは誰のもの」は上映会、オンライン上映会なども開催されており、その情報は「一般社団法人心土不二」さんのTwitterで確認して頂くことができます。2020年10月15日現在、取り急ぎ、確認できているものを下記に記しておきます。最新情報については「一般社団法人心土不二」さんのTwitterをご確認ください。